【専門家パートナー記事】シニア世代のための資産計画『取り崩し運用』

【公開日】 2021年07月06日

『老後資金2000万円問題』が世間を騒がせたのは、皆様の記憶に新しいところだと思います。
老後をある程度豊かにするためには平均的な年金収入だけでは十分でなく、2000万円の貯蓄がないと実現できないという指摘でした。

2000万円は大金です。一朝一夕に作り出せる資産額ではありませんね。
若い世代でしたらiDeCo(個人型確定拠出年金)や、つみたてNISAなどで長期間かけて資産形成できますが、ことシニア世代ともなりますと積み立てるための時間がありません。

そこで政府に『2000万円必要ですよ』と言われたら、突き放されてしまったような感覚にも襲われます。
ではどうすればよいのでしょうか。


預金にのみ老後資金を求めるのでしたら2000万円が必要になるかもしれませんが、投資信託を利用すれば2000万円も準備する必要はないと考えています。
投資信託は元本保証の金融商品ではありません。
元本保証でないことに恐れを感じるかもしれませんが、長期的に所有することで投資信託で運用されている資産の力が運用収益に変わってゆくことに期待を寄せていただきたいところです。

皆様『GPIF』をご存じですか?
年金積立金管理運用独立行政法人といって、皆様の国民年金と厚生年金を運用・管理している機関です。
『GPIF』と検索していただければ国民年金と厚生年金がどのように運用されているのかがわかります。
一度覗かれてみることをお勧めします。

ホームページのトップ画面に堂々と2001年からこれまでの運用の成果がグラフで確認できるようになっています。
2020年第3四半期までの成果は年率プラス3.37%、累積利益が85.3兆円となっています。

日本の年金制度は崩壊するのではないか?といった論調もありますが、日本の年金は着実に運用成果を出しています。
運用に問題があるのではなく、高齢化が進み受給者が増えていることに問題があるわけですね。
ですからGPIFの成果を見て、日本の年金資産は上手に資産運用していると思っていただいてよいかと考えています。

それでは、何で運用されているかご存じでしょうか。
これもGPIFのホームページで確認できます。
内訳は株式と債券が50:50の割合です。
また、国内資産と外国資産も50:50です。

よって、国内株式・外国株式・国内債券・外国債券が4分の1ずつ均等に割り振られているわけです。
大部分が元本保証ではありません。
誤解を恐れずに申し上げると、日本の大事な年金資産は投資信託で運用されているということになります。

引退を迎えて人生を終えるまで長い道のりです。
その時間を利用してGPIFのような運用を行いながらご自身の資産を運用されることは、『老後資金2000万円問題』を乗り越えられる可能性があるのではないでしょうか。

重要なのは運用方法で、シニア世代にとっては『取り崩し運用』という方法をお勧めします。
引退を迎えるにあたって保有している預貯金の一部を、GPIFのようなポートフォリオに近い投資信託を購入し、定期的に取り崩すというやり方です。

仮に500万円の投資信託を購入したとしましょう。
期待される運用パフォーマンスはGPIFに倣って3%としましょう。
これを30年間毎月一定額取り崩すわけです。
この場合は毎月19,761円取り崩せます(税引き前)。
30年間の総額として711.3万円です。
500万円を取り崩しながら運用することで200万円をこえる成果がでることになります。
引退時に2000万円を持っていなくても、不足として考えられる分は取り崩し運用で補うことが出来ますね。

あくまでも電卓を叩いた計算の話で、確実にこのような成果が出るわけではありません。
しかしながらGPIFの真似て自分たちの『年金基金』を持つということは皆様にとって有効な手立てではないかと考えています。

 

あゆみ資産相談株式会社福井オフィス
所長 横山光

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